20240214

今日も国会図書館行ってアフタヌーンを読んできた。

メモは↑

 

あと澤田賢二『鍍乱綺羅威挫婀』も雑誌で全部読んだ。本当にいい漫画だった。澤田賢二の描く暴走族(ゾク)はこんな僕でも共感して憧れてしまう。陰のある者のもがき方を先頭に立って示してくれてるんだよな。しかもアンパンにハマっちゃう主人公・幸も含めてみんなキャラに心の弱さがあるのがいいよな。「心が弱い」ところから、みんなスタートしていくんよね。最高だった。

 

さて、ヤフオクで『鍍乱綺羅威挫婀』が今出品されていて、密かに狙っていたわけだが、今見たらとんでもない値段になってた。

f:id:Thyroxin:20240214214730j:image

嘘だろーーー!?!?

オークション終わるまで『鍍乱綺羅威挫婀』に言及せんどこーとか思ってたのに、もう終戦かあ。

 

真面目にレビュー書こうかなとも思ったけど、物語内容よりかは詩的センスや書き込みがすごい作家だからちゃんと魅力を伝えられないと思って、やめておくことにした。いやー、いいもん読ましてもらいました。

 

澤田賢二が結局一番すごかったけど、他に惹かれたのは佐藤由男と松本こまつかな。松本こまつって全く出てこなかったけどその後はスズキユカという名前で『おうちでごはん』という漫画を連載してたらしい。佐藤由男の『鉄鋼の人』とかも気になってきたわね。アフタヌーン2002年あたりまで調べたら今度は小学館系も調べたいですな。

アフタヌーン掲載(93/05〜94/07) 四季賞作品など読切 メモ

前回↑

 

93/05

桑原真也『YOKO VS』

女性アイドル歌手のバックダンサーの男の話。やたらアイドルにきつく当たると思ったらカッコよさに嫉妬してたみたいなオチ。凡作。


93/06

河合伸哉『モンキーハウスへようこそ』

人類学者に男として育てられた女が"親友"の男と結婚して家族になる。婚姻制度を撹乱しようとしてるっぽい話だった。普通。


白石聡哉『蜜の味』

M女が男を取っ替えるホラー。Sに目覚めさせられた男は元の持ち主を殺して新しい持ち主になる。微妙。


93/07

雨宮智子『DON'T WORRY 貴子』

フェミニストの女が過激派の息子に言い寄られる。仲間で関係のあった女は息子を殺そうとする。何がしたいのかよくわからない。理解を拒む作品だった。


93/08

栗川アキコ『高密度タコ漫画』

1ページコメディ。普通。


橋本雄一郎『回帰線リセット』

ペンチ男が少年と会って犯罪をする。少年は被害者として突入した助けられる。無力感を感じる。


93/11

こうや鷹彦『警察署長ミリアム』

退屈なアメリカが舞台のコメディ。


にしかわたく『ペロンの降る夜』

孤児たちはおじさんの持ってきた「ペロンの粉末」という薬を売る。おじさんは街の人に叩かれて警察に捕まる。実は子供の心を持ってる人にしか見えない鉄橋をわたって薬の元の蝶を調達してきていた。主人公の「ひねくれものの動物園の動物」についての独白や、幻想世界と現実世界が交じっていくのを幻想的な画風で描いててそれなりによかった。みんなは君悪がっていたけど僕はおじさんが好きだったみたいなのとかも。佳作くらい。


93/12

たいがとしゆき『繁殖』

団地の仕事にかまける男たちは植物に魅入られた妻を「森」に取られてしまう。森は領域の奪還を狙っていた。普通の作品。


94/01

三上基『笑劇 おじぎとシェイクハンド

リアル調(最近で言うと住みにごりみたいな?)の絵でアメリカ人と日本人のビジネスで互いに相手に合わせる様をコメディに。おもんない。


山上正日郎『白黒狂想曲+α』

怪盗・アクションみたいな作品。凡作。


94/02

藤戸健一『奇変』

年の差とか近親相姦とか恋愛のタブーを使ったギャグ4コマ。おもんない。


松本こまつ『インチキ野郎』

これは良かった。アメリカ育ちのハンナと同棲する大学生ケンちゃん。ハナとの日々今の気持ち、全部「インチキ」じゃないかって思念に囚われるものの、ハナに話すと笑われる。それで大丈夫になる。心の動きの描き方が繊細よねー。余白がある。高評価したい。


94/03

鬼木国男『林蔵』

間宮林蔵シーボルトと対決する異能時代劇アクション。特に感想なし。


94/04

岡本一広『人形は想う』

川を流れる人形。赤ん坊か人形かを巡って両岸で長年の友人二人とカップルの間で喧嘩が発生。一方で小学生の二人は甘酸っぱい恋を展開し……。凡作。


94/05

加藤真五/高橋光『森田さんのこと』

ナンパするもののツメの部分でビビってヤれない森田さん。そんな平凡な森田さんって人実は魅力があるよね、という話なのだろうが、あんまり面白くない。


加藤真五『広い部屋に住みたい』

自分の身体が小さくなったと思ったら部屋が大きくなっていたという作品。「森田さん」もそうだけど、一定の画面構成のセンスは感じる。


94/07

長澤裕『光年また光年』

美少女アンドロイドが宇宙一の富豪一家の息子のお世話役になり、家長に逆らって息子のスペースシャトルでの家出を支援する、という話。無難に漫画がうまい。

20240213

国会図書館、澤田賢二

ずっと国会図書館に行く機会を逃し続けていたが、ついに久々に行けた。

主に90年代前半のアフタヌーンの単行本では読めなさそうな読切を読んでいたが、感想は上の記事にまとめてある。

 

いやー、とにかく澤田賢二がすごかった。初めて読んだんだけどね。

 

そういえば国会図書館行き始めたのは高木りゅうぞうが読みたかったからなんだよなー。

 

そのきっかけは「ざをん」さんという方の紹介記事だった。

 

 

で、そのざをんさんは最近、澤田賢二に熱を上げていて、僕も今回期待していたわけだ。ヤンキー漫画って肌に合わないかなあって思ってたんだけど、それが全然違った。澤田賢二は、ヤンキー描くことを通して「はぐれもの」*1を普遍的に描いてるんだよ!!プライドで周りから壁を作って、それでも心が弱くて壁が崩れていって……。そんな人間の姿を描いてるんだよ!!村上かつらとかとおんなじですよ。僕は感動した!!!

 

しかしざをんさんの漫画の審美眼は本当に信頼できるな。今回はっきりした。これからはスペースやってたらちゃんと聞こう。

 

ロリコン漫画を彼女に読ませる彼氏ってドン引きされるの!?

ロリコン漫画を彼女に薦める彼氏ってどうやらドン引きされるらしい。悲しいね。という話を聞いて考えたんだけど、僕が人が抜いてたらドン引きするロリコン漫画ってなんだろう。

和田エリカ

いや和田エリカでこの現代に抜いてるやつおったらびっくりして笑ってまうわ。

一人思い浮かんだのは、漫画家じゃないけど西牧徹かなー。これは褒め言葉だけど西牧徹の絵はロリコン画の中でも生理的な嫌悪感を最も感じる絵だ。あんまりイラストレイターに詳しくないから自信ないんだけど……。あの過剰に強調された肉付きの感じと表情がね、本当に気持ち悪いんだよね……。

*1:グレることは「はぐれる」ことだって澤田自身書いてた

アフタヌーン掲載(91/09〜93/04) 四季賞作品など読切 メモ

91/09

守延奈津『神隠し』

神隠しにあう自身の家系の謎を追うSFサスペンス。おもろい。


佐藤由男『解体男』

何でも物を解体する「解体病」の男。小さい頃から癇癪を起こすと解体する癖がついてたらしい。逆玉で建設会社の跡取りの切符をつかみ、ビル建設の責任者になる。生活に満足してるはずなのに、ビル解体の衝動が抑えられない。ところが、男遊びに自分を利用している彼女と別れる決心をつけた途端解体をやめる。解体症は男の無意識の不満を表現してもいたわけである。ところがどうしても解体癖は治らず、最後には自動車解体の仕事に就いて終わる。「だから今はなんとかやってるのサ」というセリフに、人生の唯一性を僕は感じる。人間は気質に縛られるだけではなく身体性にも縛られている。解体症はその人間を縛るものとしての身体性を表現しているわけだ。その束縛はそのまま人の固有の性質になって多様な生の可能性になる。


91/10

下条幸子『口をアングリー』

自殺する男をビル清掃の男が間一髪のところで助けて、雑技団みたいと褒められる。かなり退屈。


92/01

椎名品夫『眉白町』

纏足愛好症のおっさんの話。単行本はプレミア化してるみたいね。文句なくおもろいけど、趣味ではないかなー。


92/02

竹内章『厚生省ガール』

少子化問題を解決するために女たちに催眠効果つきのエロビデオを見せて子供を産むよう洗脳する漫画。びっくりするほどおもんない。本当に四季大賞か?


小田浩志『Love Letter』

命懸けでプロポーズをする雲人との出会いから男はラブレターを破いて恋人と別れ、小説の仕事に邁進する決意を述べる。人物描写が浅いと思う。


澤田賢二『失くした1/2』

澤田賢二初めて読んだけど、すげ〜〜〜!!!鳥肌立ったよ。ツッパってるキヨミとゾクに憧れるユウジの恋愛?友情?話で、ゾクに入ったユウジは抗争で死んじゃって、っていう話自体は陳腐なんだけど、詩的なセンスがハンパじゃない。澤田賢二は『鍍乱綺羅威挫婀』でのシンナー描写が特に注目されてるみたいだけど、僕はそれより先に詩に心を打たれたね。


箱谷ユヒサ『スナックワルシャワの夜は更けて』

失恋でヤケ酒、ワンナイト、記憶忘れる、翌週また同じ男とワンナイト、というオチ。ちょっとおもろかった。


92/04

沖田次雄『レンタルビデオニュース』

謎のビデオ屋で借りたビデオから女が出てきてセックスにふける。期日を超過してしまって悪夢の中に閉じ込められる。普通のホラーだね。


澤田賢二『十五歳』

宮川は後輩に不良になりたいと言われ、それを止める。でも不良の世界に入ってきたその後輩を助ける。抗争に警察、不良が人間扱いされない現実を後輩は知るが、それでも後輩は結局髪を染め、それを宮川に見せる。「でーんでん似合わねーよ タコっ」と笑顔を見せる。現実を知りながらそれでも不良になるって決めるとこがいいよね。


92/06

げーださとし『こんな奴ら』

非モテくんがかわいい女と付き合うご都合主義作品。イケメンだけどクズな彼氏に不器用ながら「久美子は俺がもらう」と啖呵を切る。これを読んでる1992年の非モテに想いを馳せることができた。


沖田次雄『ワンナイトプログラマー

レンタルビデオニュースの時と作風変わらんな。書き込みがすごいだけ。

 

92/09*1
松永豊和『きりんぐぱらのいあ』

いじめられっ子の藤岡が幸福な生活を送る元いじめっ子に復讐する話。嫁の尻にコンパスで復讐の文字を書いたりセンスがちょっと変なんだよな。この人も後に連載描いててちょっと人気あるっぽい。

 

92/10
楠岡大悟『少年少女』

淡白な青春恋愛もの。変なメガネを貸してくる女が顔を伏せると耳が良くなる設定の主人公に言いよる。


92/12

山本由広『もう天使じゃない』

悪徳採血車による平面人間にされた男。元カノに匿われるが襲って怒らせてしまい切り裂かれる。元カノはやっぱり好きだと自覚して元に戻る方法を模索しようとする。ひでシスさんを思い出す作風(特に平面人間が切り刻まれたりするあたり)。


93/01

瀬田勝『な・か・む・ら』

いじめられっ子中村くんと仲良くしてあげる女。ムカついて中村くんを殴った男は屋上から飛び降りて死んでしまう。怖くなった女は中村くんを無視する。ラブレターも捨てる。中村くんを街で見かけた女は直後、中村くんに殺される。捨てた恨みを忘れていなかったのだった。うーん微妙。特に感想なし。


橋本雄一郎『回帰線』

悪役が更生する話。恩人の女の子が芸能人になるも、ひさびさに会っても気づかれないばかりか握手した手を汚らしそうに拭かれてしまう。それでも没落した元ヒーローの言葉に従いフランスに向けて旅立つのだった。普通。心の支えにしたアイドルにキモがられても旅立つところはよかったけどねえ。


93/02

佐藤伊智郎『黄昏の魔手』

勤続三十年。疲れ果てた男は時々肩を叩く手の幻覚を感じる。陰影を基調とした画面の構成と躍動感あふれる人物描写。漫画のうまさを感じる。マジでうまいし非凡だけど僕の趣味ちゃうねんなあ。今敏を思い出す作風だ。


93/03

塩田哲也『ザ・クレイジー・ムーン』

アメリカのドラマ風のコメディアクション劇。つまらん。


イワフチヤスナリ『ハードレイン』

目が一時的に見えなくなった人妻のお手伝いをする少年。家に乱入したヤクザから救おうとするも、結局夫が現れてすべてを解決してしまう。人妻はエロいかもしれんが、話が普通すぎる。

*1:92/07は読めなかった

自分のミソジニーの起源について

自分のミソジニーがどこから来たのか今日聞かれて、思ったことがある。

 

身近に女性のいなかった中1〜大2の間、僕は二次元の女性しか愛せなかった。妄想もオナニーも全部二次元だった。

 

当時、三次元の女性といったら芸能人しかいない。アイドルになるような女性とは世界の違いをいつも感じていた。僕がアイドルになろうと思うような女性と仮に会う機会があったとして仲良くなれるはずもない。でも僕はきっと本当はかわいい女性が好きだった。彼女たちに自分の欲望を認めて欲しかった。好きだと言われたかった。

 

でも想像の中の彼女たちはみな僕を拒絶した。かわいい女性を見るたびに、欲望を向けては拒絶されることを繰り返した。だから僕の視線は自分を受け入れてくれる二次元の女性に向かった。二次元の女性しか愛せないと自分を思い込ませていった。

 

この「拒絶されるに違いない」という想像の際限のない繰り返しが、やがてリアルな形を取り始める。「女性は僕を拒絶する」という信念に結晶していく。今ではそんなのは嘘だって、はっきりわかっている。好ましく思っている(恋愛感情とは限らない)女性の友達も何人もいる。

 

でも時々、芸能人っぽい女性を見ると憎らしく思うことがある。恋愛に夢中な女性(友達は仲良くしてくれてるのわかってるからそんな風に思うことはないよ!)を見ると、「どうせ僕を受け入れてくれないくせに」と暗い思考が脳裏をよぎる。そんな風にして傷つく必要は今やどこにもないはずなのに、まだ続けている。誰かに「拒絶された」感覚はいまだに残り続けている。誰に拒絶されたのかもわからないのに。

20240211

今日は予定が飛んだので国会図書館に行こうと思ったのだが日曜祝日は閉館だったことを思い出した。俺が国会図書館に行くの、いつも阻止されてばかりいるな。明日も暇なのに行けないのかよ。悔しい。

何もやりたくない、働きたくないと駄々をこね続けてきたが、つまりところそれは「大人」になりたくないということで、「大人」の責任から逃れたいということだ。「大人」になったら自分を生計を立て、仕事ばかりの孤独な生活に飽きて結婚して子供でも作り、そしてまた家庭に仕事にと忙殺される。そうしてると、一日たりとも休むことはできなくなる。多くの人がそうしていることに本当にびっくりする。どうしてそんなことができるの?