20240513

頂き女子りりちゃんのマニュアルを読んだ。

りりちゃんは賢い。

不幸な男の気持ちをよくわかっている。

恋愛をあんまりしたことがなくて、自分に価値を感じたことのない男の……。

 

「無害ガチ恋」って言葉をりりちゃんは使うけど、無害なのは当たり前だ。

 

ほんとうに好きな人に害なんて与えるわけがない。

 

 

ぼく生きててよかったんだ

 

ああ、こんな風に思えたら、どんなに幸せだろうか。

 

ぼくって存在価値あったんだ

 

そんな瞬間があったなら、

 

この子のおかげで生きる理由に気づけた

 

そんな気持ちを知ることができたなら、

 

この子との楽しい日々をもっと経験したい

 

そんな幸せな空想に浸ることができたなら、

 

こんなに純粋で信じれる子は他に居ない

 

そんな子が僕のことを好きでいてくれるのなら、

 

この子ならなんでも信じられる

 

僕は……

 

きっとそれは幸せなことだ。

 

 

そんな子がもしいたのなら、

 

この子のためならなんでもできる

 

本当になんでもできる。

 

俺にはこの子しかいない

 

だって、僕にはこの子しかいないんだから。

 

この子といると安心する

 

そんな人、今まで一人もいなかった。

 

この子しか本当の俺をわかってくれる人はいない

 

こんな俺には、現れるはずがない。

 

この子が喜んでくれることが俺の幸せ

 

だから…

 

この子の嫌がることはしない

 

だから……。

 

この子に嫌われたくない

 

こんな風に特別な人がいる人生を世界の何パーセントがおくれるだろうか。

 

僕はおそらく無理だ。

彼氏彼女がいる人たちに問いたい。

あなたは「おぢ」より幸せですか?

 

こんなことを訊くのは僕の僻みなわけだが、確信をもって答えられる人はそんなにいないはずだ。

 

最近、僕は『彼氏彼女の事情』のアニメにハマっている。いつもいつも、特別な人との特別な体験を積み重ねる幸せな光景を見せられて気が狂いそうになる。

 

たった2か月なのに こんなに気持ちが変わるなんて

いつもそばに 有馬がいた

会いたい そばにいたい

あのころは 少しも思いはしなかった

こんなに有馬を好きになるなんて

 

私ね、さっき言ったことの続き思いついたの

有馬も私に甘えていいからね

 

ずっと一人で立ってるの 疲れるもの

支える人が欲しいもの

 

私ははじめて知ったんだ

誰かに受けいれられる気持ち

誰かと笑いあう わくわくする感じ

自分がいままで 見向きもしなかったものが

どんなにたいせつだったかを

 

誰かがいてくれるという安心感

ありまといると

まわりの空気が 澄んでいく

人にほめられても

一番をとっても

こんな気持ちには ならない

すっきりと 今の自分が正しいと思える

だから 有馬に会えたのは

とても幸運なことだと思うんだ

 

スクエアで不幸な優等生だった僕を

宮沢はあっさりぶち壊し

僕自身さえ知らなかった本当の僕を見つけ

好きだと言ってくれたんだ

嬉しかった

彼女に会えたことが

嬉しかった

彼女と今同じ高校の時を過ごせることが

 

好きなひとの形 重さ 熱

触れたすべてから

しあわせが広がってゆく感じ

他にはなにもいらない

知らなかった

こんな安らぎがあるなんて

 

私の中に初めての感情が起こった

躰全体に広がって私を支配してしまう

なぜ 今まで 彼といて平気だったんだろう

こんなに想われていて

息もできない

こんなことがあるんだろうか

私は同じ人にもう一度恋をしてしまった

 

特別大切な彼女が 僕を特別大切に想ってくれる

それだけでもう

 

僕は、りりちゃんと一緒の時を過ごした「おぢ」たちが不幸だったとは思わない。

 

「おぢ」たちにとってお金なんてどうでもよかったはずだ。

 

彼氏彼女の事情』を見て、僕は思う。もうこの先、こんなに幸せな体験をする機会は一生訪れないだろう、と。

 

僕は怠惰に日々を過ごし、永遠にその機会を失った。

今だって人生に絶望した「おぢ」たちはその辺をうじゃうじゃ這い回っている。色のない人生。誰かが変えてくれるのを待っているはずだ。

彼らに「その機会」を将来の地獄と引き換えにしてでも欲しいかと訊いたら、どう答えるだろうか。

 

りりちゃんはこう言う。

 

そして、自分にお金を渡したことを後悔させないように力いっぱいの信頼関係構築コミットをしてあげて幸せを与えてあげてwin-winになるようにしましょう。お金がなくなっておぢが生活くるしくなってでもこの子と出会えたことのがよかったな、と思ってもらうことが私のモットーです。

 

お金を奪い取るわけではなく、こちらからはおぢへ信頼関係構築コミットというなの幸せを与えてあげてる代わりにお金を頂いてる。と思っています。それにおぢの最終的な意志でお金を手渡ししたり振り込んだりしてくれてるわけなので罪悪感はないです

 

わたしは今まではおぢ側の人間でした、好きになった男の人からお金を要求されては払って、捨てられて、を繰り返してました。そんな私がもっとこんな風にしてくれてたらもっとお金も渡したし、恨まなかったし、幸せだった。という経験を裏返しにしたのが頂き女子になっています。(中略)なので私はおぢにたいして【最後までお金を渡して幸せにしてあげてよかった】と思わせる努力を惜しみません。

 

「おぢ」たちは突き付けられた。自分のこれまでの積み重ねてきた貯金と、目の前の幸せと、どちらを選ぶのか。

 

彼氏彼女の事情』の宮沢と有馬の言葉をもう一度繰り返そう。

 

私ははじめて知ったんだ

誰かに受けいれられる気持ち

誰かと笑いあう わくわくする感じ

自分がいままで 見向きもしなかったものが

どんなにたいせつだったかを

 

スクエアで不幸な優等生だった僕を

宮沢はあっさりぶち壊し

僕自身さえ知らなかった本当の僕を見つけ

好きだと言ってくれたんだ

嬉しかった

彼女に会えたことが

嬉しかった

彼女と今同じ高校の時を過ごせることが

 

「おぢ」たちと宮沢・有馬との間にどれだけの差があるだろうか。そして、考えてみて欲しい。宮沢・有馬のような幸せをこの先、手に入れることができるだろうか?

 

そのとき、「おぢ」たちは選んだのだ。

 

結局、りりちゃんは捕まり、「おぢ」たちは人生を賭けたものが嘘で塗り固められていたことを知ることになった。

 

被害を訴えて怒りをぶちまける「おぢ」の記事も見た。

こういうのは憚られるが、それでも僕は「騙されていたとしても、りりちゃんに出会えて幸せだった」と語る「おぢ」がいるような気がしてならない。

 

そしてそんな「おぢ」に僕は勝てない。

 

僕にはそんなに純粋に人のことを想えない。

結局僕は自分が大事なのだ。

そんな自分を思うと嫌いで嫌いでたまらなくなる。

そんな風だから「トクベツ」に至れないでいる。