今更だけど俺妹3巻まで読んだ

   最近久し振りに俺妹を読み進めている。

 


   中2くらいの頃にアニメ2期を見て以来だ。

 


   とは言っても、当時の僕はキャラのかわいさだけでアニメを見ていたので、あやせがかわいかったくらいのことしか覚えていないのだが。

 


   そういう経緯があって、タダの萌えアニメくらいの印象しかなかったのだけれど、その分、先日読んだ1巻に驚かされることになった。

 


   それぞれのシーン同士の結びつきがしっかりしていて、飽きさせない構成になっている。ギャグも面白いし、エンタメ小説として完成度が非常に高いのだが、何よりも、主人公・京介のパーソナリティに感情移入できるように力を入れた工夫がたくさん凝らされている。最初に彼の人生観は語られるしな。そうした主人公の目を通して、他のキャラも肯定されていく、というのが俺妹の核になるストーリーだ。

 


   1巻読んだときはもう本当感無量だったね。

   最期の方の桐乃の叫びは、オタク趣味始めたばかりの頃を思い出して泣きそうになっちゃったよ。

 


   まあそんなこんなで、今日は3巻まで読んだんだけど、マジで凄くてびっくりした。1巻超えたよコレ!

 


   基本的なあらすじとしては、何をやらせても天才・桐乃が書いたケータイ小説が話題になってデビューの話が来るのだが、一生懸命書いた小説が狡猾な小説家に盗作されてしまう。それを知った京介と黒猫が出版社に乗り込んで盗作を訴え、桐乃の著作権を返してもらうために奮闘する、というもの。

 


   中でも圧巻なのは、凡人・黒猫の桐乃に対する感情がむき出しになるシーンだ。

   才能を持つものへの嫉妬心。努力が報われない不満。自分のものとはズレる社会の価値観に対する違和感。

   どれも僕(おそらく大多数の人も)が抱えて苦しんでいる普遍的なものだ。

 


   当然、黒猫の苦しみは京介に肯定され、桐乃の著作権も戻ってめでたしめでたし。3巻は幕を閉じるのだが。

 


   いやあ、こういう誰もが共感する後ろめたい感情をキャラに吐き出させて、全肯定しちゃうの、本当に上手いストーリーっすね。しかも嫉妬の対象の桐乃もひっくるめて肯定しちゃう。価値観の押し付けを感じないし、誰もが持ってる感情なんだから、気持ちよくならないわけがない。問題も解決するしね。

 


   いやあ、自己肯定感低い低いマンの僕は、こういう話を摂取しないと生きていけないんすよ。オタク向け作品はこういうの多いから心地いいんだよなあ。

 


   とにかく俺妹最高や!みんなも生きるために俺妹3巻読もうな!!