恋愛の話

   場所は伏せるが、今日の夜、外を歩いてたら高校生男女2人組を見かけた。影になってる目立たない場所で、男が女の服の袖を掴んで近距離で顔と顔が向かい合っている。完全にそういう雰囲気だ。男女の周囲は、どこか甘い、鼻腔をくすぐるような緊張感に満たされていて、まるで結界が張られているみたいだった。

 


   空気を察して引き返そう、というのが普通の考えだろう。

 


  もちろん僕がそんなことをするはずもなく、結界に堂々と入り、チラチラと視線で二人を威嚇しながら通り過ぎた。なんで恵まれない僕が、あんな奴らに配慮してやらなきゃいけないんだよ。

 


   振り返ると、案の定、二つの頭が重なっている。チクショウ、止められなかったか・・・

 


   大学入ってから気づいたが、どうやら僕にとって恋愛というのはものすごく難易度の高い行為であるようだ。彼女を作るためには、身だしなみに気を使うというだけじゃ足りない。言動も日々注意して、魅力的な人物を演じる必要がある。身だしなみはまだなんとかなるとしても、言動に関しては、アスペが入っている僕にはどうしようもない。

 


   こういうことを考えていると、結局いつも、既存の非実在少女で満足するしかないという結論に至るのだ。ただ、それもマンネリ化してきているんだけど。このマンネリに対処するための解決策は、もう自分で理想の女性を作りあげるしかないのかもしれない。

 


   女装して自分が女の子になるか、絵を描いて好みの容姿の女の子を生み出すか、何か物語を創作して好みの性格の女の子を作りあげるか、今僕が考えているのはこの三択だ。彼女を作るよりはるかに実現可能性が高いと思う。

 


   この三つのどれかを達成する。これが、最近の僕の大きな目標である。思いっきりこじらせオタクみたいだが、もう僕にはこれしかないのだ。やってやるぞ。

 

 

 

 

 

   本当にこれ以外ないのかなあ・・・