ガザの虐殺、参政党の躍進、暗い話ばかりが続く。
参政党についてがっかりなのは、この期に及んで「リベラルのせいにするな」「右翼にも責任はないのか」などと責任逃れの言葉を吐くものばかりであることだ。
また、自分に「傲慢で尊大な態度」を取ってきたのはリベラルじゃなくて保守だった、などという話をする人もいる。そりゃリベラルの方が育ちがいい傾向なんだから当たり前だろう。もうそういう階層構造ができてしまっている以上、保守派の方が傲慢で尊大だなどと述べるのはそれ自体が傲慢で尊大な態度だと思う。
まあ本人的にも辛かったんだろうけど、それで保守派にレッテル貼りをしてしまうのは欺瞞的だと思う。謙虚で礼儀正しい態度を身につけられたということはそれ自体特権的なことだと思う。そういう態度が取れない人こそ守らないといけないのではないか。
僕は参政党にひどい攻撃に遭ってリベラルにも見捨てられている人たちのことを思うと本当に苦しくなる。リベラルは外国人差別に反対しているといっても、どこまで本気なんだろうか。その外国人がイスラエル支持だったらどうする? 中国のウイグルでの虐殺を支持していたら? それでも助けると言えるのか。その人を助けるのであれば、これまで人生めちゃくちゃ苦労してきてそれで今参政党に希望を見出してる人はどうする? 参政党を支持しているというだけの一点で、その人の苦労してきた人生を認めないというのはおかしい。話を聞かないというのはおかしい。そして参政党には一定層そういう人がいるんじゃないか、というのが僕の仮説だ。
差別に反対する人を排除するとはいうけれども、僕はどうにも弱くて追い詰められている人の方が差別に走りやすいような気がしている。その人たちこそ助けないといけないんじゃないのか。別に差別を肯定するわけじゃない。もちろん、僕だって彼らに差別するのはダメだと言いたい。いや、なんとかして言ってやろうと思う。でも今日のリベラルのように、あんなに攻撃的な人格を認めないと言わんばかりのいい方はしない。ちゃんとどうしてそう思うのか話を聞きたい。
これまでちゃんと対話する努力をしてきただろうか。残念ながら僕にはちゃんと話した経験はない。あまりにも悔しい。恥ずかしい。
こんなことを招いたのは自分たちのせいだと思う。背負わなければいけないことだ。真剣に反省して現状を分析してどうしてこうなったのか考えないといけない。そして無視されている、虐げられていると感じている人の気持ちを、弱いものを叩くのではなくみんなで手を取り合って助け合うんだってところにまで変わる手助けをしないといけない。その導線を整備する仕事をしなければならないと思う。
リベラル・左翼が参政党支持者を罵倒するのは間違っている。参政党の支持層を取り込まないといけないときに、戦略的にいいはずがない。差別に反対するにしても言い方があるだろう。参政党がアンチ・リベラルで一貫していることに対して防衛反応でも出ているのだろうか。ちょっと冷静になるべきだ。本気で言っているのかよ、とも思う。これがより良い未来のためになるとは全く思えない。
最も許せないのは、すこし引いた立場で冷笑的に参政党を馬鹿にしている層だ。話題になっているから何かを言わなければという義務感だけで適当に参政党を馬鹿にすることを言っている人たちが許せない。そういうやつらばかりで、それが憎くてそれで参政党に入った人がどれだけいるだろう。改めることを迫られているのは、右翼でも保守でも中道でもない。我々左翼・リベラルである。
その一方でむしろ今、参政党に真剣に怒っている人は断固支持する。戦略的にダメだとわかっていてそれでも、と怒る人は支持する。僕だって怒る気持ちはある。でももしかしたら彼らほどには怒りがないかもしれない。僕って薄情なのかな、思う。いつも僕は遅れてしまう。弱者への暴力に対して許せないと本気で思える人には尊敬以外にない。