永遠なんて、なかったんだ。
ドトールにこもって卒論を書いていた。
あんまり進まなくて、人がまばらな店内で「Happy Xmas(War Is Over)」が流れている。
A very merry Christmas
and a happy New Year,
ふと気づく。
永遠なんてなかったんだ。
確かなものなんて、どこにも……。
僕はずっと確かなものが欲しかった。確かな実力、確かな自分、そして、確かな関係。
探し続けた。いや、探し続けていた、つもりになっていた。
が、結局、大学の勉強は早々に挫折して、かといって他の何かを頑張ることもできず、だらだら友人たちと駄弁ることばかりに時間を使ってきた。
これまで過ごしてきた時間は楽しかった。幸せだった。
これを書いている今、クリスマス会とやらで、シェアハウスのリビングでみんなが騒いでいるから、余計にそう思う。
でも、それは永遠ではないのだ。
かつて世界の全てだった悩み事が10年後、届かないとするならば、きっと今、大切だと思っている関係も、10年後には届かない、ということがありうるのではないだろうか。
今大切な人たち、大切な気持ち、それが永遠でないなら、消えてしまうなら、僕の今の気持ちは、いったいどこに向かうんだろうか。なんの意味もないんだろうか。
なんの意味もないのだとしたら、僕は何のために……。
先に引用した村上かつら「99夏あたし15歳」は、こう終わる。
ものすごく
好きだという気持ちも
忘れずにいよう。
……
好き。
もしかして僕は、今の気持ちを今、大事にするだけでいいんだろうか。
そう考えると、少し気が楽になった気がする。
永遠なんてなくても、今を大事にしていれば、きっと……。