今日のところはあまり文句をつけるわけではないのだが、原作より「あぅーっ…」の語調が幅広い気がした。
祐一「おはよう、真琴」
真琴「あぅ…(気だるげな口調)」
祐一「お前の朝の挨拶はあぅーなのか」
真琴「胸焼けがおさまらないの」
祐一「夜中に食い物なんかねだったりするからだ」
真琴「ねだってなんかないわよぅっ…! あれは裕一の顔に…」
祐一「俺の顔が…なんだって?」
真琴「あぅーっ…(うなるような低い声)、うぅーっ、今に見てなさいよっ!」
原作の「あぅーっ…」は、言うに困って戸惑うシーンで使われることが多い。
真琴は祐一の気を引こうとしてか、悪事を働く。でも結局最後は詰めの甘さが露呈して「あぅーっ…」で終わるのだ。あるいは、真琴は無意識に悪事に失敗することを望んでいるのかもしれない。だとするなら、その気持ちを自分にも他人にも隠すための「あぅーっ…」でもある。
というわけで、原作では真琴が「あぅーっ…」で怒りをあらわす場面はほとんど見ない。かくいう僕も友人に対して怒りの「あぅーっ…!」を発したら、「攻撃的な"あぅーっ…"だ」「真琴はそんな"あぅーっ…"は使わない」「真琴はもっと申し訳なさそうに"あぅーっ…"って言うんだよ」などと指摘されたものだ。
しかし、やはり京アニ版の真琴はどこか違和感がある。なんだか明るいというか……。
原作の真琴は明るいギャグシーンの中でも常に"かなしさ"や"さびしさ"を漂わせていたような気がする。そこが大好きだった。だから僕は真琴を選んだのだった。