スポーツ選手が喫煙で五輪代表辞退などというニュース、本来はどうでもいいのだが。
選手の喫煙に関して、女の喫煙は100%男の影響などというツイートが複数パターン流れてくるが、こういうのこそまさに悪しきミソジニーというものだろう。拙者もミソジニストの一派といってもよいと思うのだが、それでも許せない。一人の人間の個としての生を踏みにじっている。しかもその背景に、女は男に従属するものだという認識が透けてみえる。家父長制を傘にきて、何の想像力もなく個の人生を踏みにじって返す刀で女を十把一絡げに見下して自分は優位に立とうとは、なんて下劣な連中だ。
人はみんな誰かの影響を受けて行為を選択する。その無数の選択の中にその人らしさがあらわれるというのが尊いのだよ。
あと、代表辞退の是非だとかそういうのはどうでもいい。これまでもなんかいろいろな大会で優勝とかしたんだろ？ 僕のこれまでの人生にはそういう経験はない。何かに一心不乱に打ち込んで、他の人がいけないところまでいって、世間様に評価される。それって本当にすごいことだし、本人が幸せかどうかは知らないんだけど、僕は羨ましいよ。だからオリンピック出れないくらいでかわいそうとは一ミリも思わないし、むしろざまあみろと思う。
やっぱり何かを頑張れる人間は憎い。それに怖い。だって頑張れる人間を見た人たちは、その血走った眼を僕に向けて「なんでお前は頑張らないんだ」って言ってくるに違いないから。高校くらいの頃からかな、僕はその眼に怯えるようになって、結局何一つとして頑張れずただただ自分を責め続けることしかできなかったよ。
なあ、なんでオリンピックの話をするんだ？
そんなもの僕に見せるなよ。
馬鹿にしないでくれよ。
そんな眼で見ないでくれよ……。
