20231215

徹夜してカラオケ店で明日発表の卒論ゼミの発表原稿を書いている。隣の人が「only my railgan」だのを歌うのを聴いていると、だんだんポップでクールなものとしてオタク文化を消費していた(今のように自分の実存にねっとりと絡みついて切り離せないものとしてではなく)高校生のころに記憶が引き戻されていく。声優文化に乗れなかったのが、ポップでクールな文化としてのオタク文化の消費者を離脱した原因だったと思う。僕も小倉唯とかに純粋な性欲だの恋愛欲だのを向けたかった。高校の時の数少ないオタク友達は小倉唯のファン*1だったが、僕はきっと彼に代表されるようなオタクの純粋さが羨ましかったんだと思う。本当は小倉唯とかに性欲を向けたかったのに、声優オタクのカルチャーに馴染めなかったからと彼らを他者化して、欲望を隠ぺいしてここまでこじれてしまった。もっと純粋に小倉唯とかのライブに行ってはじけて、それから家に帰って思い出しオナニーなんかをしていれば、「かずさシステム*2」なんかを生み出さずにすみ、スムーズに恋人を作って結婚とかして、その頃にはアニメのことなんか忘れて、いまごろこんなところに留まらずに済んだはずだ。いや、そんなのは関係ないし、今都合よく作り出した偽物のIFに過ぎない。なんでこんなことを書いているのかという、僕はきっと小倉唯とかに真剣に恋をしたかったんだと思う。毎日想像してオナニーをしたり、ライブに行って散財したりをしたかったんだと思う。俺を排除した声優オタクが恨めしい。いや、それはさすがに責任転嫁だ。僕は排除されたわけではないと思う。あいつらのノリがただただ気に食わなかった。今までアニメの女の子が好きだったのに三次元の女なんかの方に行っちゃって。最初は寂しかった。それがだんだん凝り固まって、三次元の女の人なんて知らなかったから、本当は三次元の女の人に憧れていたから、僕もだんだん心の奥底ではそっちに行きたくなって、でももうその頃にはプライドが固まりきっていて、自分の欲望を否認し続けるしかなかった。ああ、でもノリが合わなかったのは本当だな。「チノさん*3を嫁にして幸せにするためにオレが頑張って稼がなきゃ」と言っていた友達はごちうさ界隈のノリが合わなくてチノちゃんを愛すること自体やめてしまった。ようするに、TwitterのTLに流れてくる声優を見て、初めて三次元の女性を知り、三次元の女性への欲望が声優への欲望に凝縮されて、でも俺はどうしても声優オタクになることができず、その挫折を今でも多分引きずっている、という話なのだと思う。二次元の女性にはもう飽きていて、それでも二次元の女性を愛することをやめられなくて(やめたくなくて?)、現実の(いったん「三次元の」というのはやめにする)女性に初めて触れたときに、現実の女性に心を動かされるという「罪」に対する言い訳として用意されたのが「かずさシステム」だったのかもしれない。でもそれじゃだめだってのはわかってる。もう「こじらせ」からは抜け出さなきゃいけない。現実の人間とちゃんと向き合わなきゃいけない。たしかに、本当は、小倉唯とかに恋をしたかったんだと思うけど、今更そんなことはできそうもない。だいいち、そのことはもうアクチュアルな問題ではなくなってとっくに過去の古傷になっているし、こうやって文章を書いているのは昔を思い出してトラウマがフラッシュバックしているだけなのだ。その道を僕は選べなかった。後悔はない。けど、抑圧していた欲望がときどきうずいて僕を苦しめる。苦しい? 苦しかったということにこのごろになって気づいたのだ。だから、当時苦しいことを意識できなかった分、ときどき思い出したかのように苦しさを味わわなければいけない。こんなしょうもないことで苦しかったとのたまう自分にもイライラするが、これも僕の人生だ。ああ、なんか解決した。ときどき女性声優でオナニーしたくなる時があったり、女性声優のオタクのツイートを無性に見たくなるときが今でもあるけど、それは当時声優オタクになれなかったのが辛かったせいなのかもしれない。ときどきの発作に耐えていけばいいだけの話らしい。話を戻すといい加減、現実の人間とちゃんと向き合わなければいけない。でも向き合い方がわからない。アニメや漫画の視点を通してでしか現実を生きてこなかったから、人間をキャラクターとしてではなく人間として向き合う方法がわからない。いや、少し神経質すぎるのかもしれない。そんなことは気にする必要はないのかもしれない。何を反省すればいいのかすらわからなくなっている。ただひとつわかっているのは、昔は「三次元の女性に心を動かされること」だった「罪」の内実が今や「現実の人間と"ちゃんと"向き合えないこと」に様変わりしていることだ。でも「罪」を贖う(罪悪感を払拭する?)方法が今やまったくわからない。どこまでいけば"ちゃんと"なのかわからない。それが問題の本質なのかもわからない。自分の限界もわからない。ゴールもわからない。わからない。わからない。もう考えることはやめにする。無駄な書き物に時間を費やしてしまった。今日はこのへんで。

 

*1:というよりかは「変猫」のファンだったといった方が良い

*2:これのことね。



*3:ごちうさの香風智乃。チノちゃんではなくチノさんとそいつは呼んでいた。